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2018/3/26 17:00

電気工事士って実際どうなの



近年では、医師や看護師、保育士など、需要に対して供給が追い付いていない職業が増加しています。その中にはライバルが少ないにも関わらず将来性が高く、今後の活躍が望める職種も少なくありません。

今回紹介する電気工事士も、そんな職業の一つです。詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。


1.電気工事士ってどんな職業?


電気工事士と言われても、正直あまりピンと来ない人もいるかも知れません。どんな職業なのか簡単に説明していきます。


電気工事士とは

電気工事士とは、その名の通り電気に関する工事全般を執り行う職業です。産業技術の発展に伴い、電気は私たちの生活に欠かせない存在となりました。

・テレビやパソコンなどの通信設備
・厳しい暑さや寒さを凌ぐための冷暖房器具
・街の安全を守る信号機や街灯
・企業のオフィスや公共施設で使用している機材
・電車に送電するための架線や駅構内の設備

上にあげたものは全て、電気が正常に供給されているからこそ当たり前に利用できます。これらが、ある日突然使えなくなってしまう恐ろしさは、東日本大震災で多くの人々が身をもって経験したのではないでしょうか。

そんな、人々の当たり前を陰で支える事こそが、電気工事士の仕事なのです。


電気工事士の仕事内容

電気工事には、大きく分けて2種類あります。

1つ目は建築電気工事。
こちらは、あらゆる建設物にまつわる電気工事を行います。変電設備のメンテナンスから電球の付け替えまで、業務内容は多種多様です。建設物を施設として稼働させるためには、ほぼ確実に電気を通す必要が出てきますからね。
日常の中で起こる電気の問題を迅速に解決するべく、専門の知識と技術を持った電気工事士たちが日夜活動しているのです。



2つ目は鉄道電気工事。
こちらも生活には欠かせない、鉄道関連の電気工事です。電車の動力源はもちろん電気ですので、必要なエネルギーを送電する架線や変電設備などの整備が必要となります。また、鉄道システムを正常に稼働させるための、信号や踏切、通信機器のメンテナンスはもちろん、駅に設置されている自動改札機や照明機器、電光掲示板などの点検業務も電気工事士の仕事です。
正確性と信頼性が世界一と言われている日本の鉄道事業を支える遣り甲斐は、他の職業ではなかなか味わえない魅力でしょう。



電気工事士の主な職場

極端な話、電気工事士には、固定された作業場は存在しません。電気設備が設置されてさえいれば、全国各地のあらゆる場所が作業場となり得るからです。

住宅・アパート・マンション、教育機関や医療機関、工場に施設農場、博物館や美術館、商業施設や娯楽施設、さらにはビルや鉄塔・電波塔……
現代社会において電気を必要としている施設は数えきれないほど存在していて、同じ数だけ電気工事士も必要とされています。


2.進む人手不足に反し、高まる需要


施設に新たな設備を導入する際は当然工事が必要になりますし、長年に渡り使い続けて老朽化が進んだ設備はメンテナンスをしなければなりません。それだけでも電気工事を担う業者は多忙になるのですが、近年では時代の流れと共にさらなる需要が生まれています。

通信技術の発達や、省エネ推奨の波によるところが大きいですね。新しいテレビやパソコンの開通工事に、電話回線の整備。それから自家用車を電気自動車に買い替えたり、省エネ家電を購入したり、住宅にソーラーパネルを設置したり。時代に合わせて生活環境に変化を与える時、多くの場合そこには電気が関わってくるものです。

しかし、一方で電気工事を行う事のできる電気工事士の割合は、年々減少傾向にあります。少子高齢化の影響もあり、若い働き手がいなくなってきているのです。需要と供給が釣り合っておらず、業界では慢性的に人手不足の状態。国内の電気事業全体が抱える悩みの種です。



3.電気工事士という職業の将来性

そもそも電気工事士は、国家資格の取得が必要な専門職です。そして上記したように、現状常に働き手を渇望している業界ですから、一度手に職をつけてしまえば仕事がなくなって困る心配はありません。地道な努力によって知識や経験を積み重ねる事で、むしろ先方から「あなたに来てほしい」と直接依頼される事もあるでしょう。専門性の高い職業だからこその、特別な遣り甲斐や達成感が得られます。

技術の進歩や省エネ志向に加え、数年後に控えるオリンピックの開催もまた、業界への強い追い風となっています。大規模な電気工事から日常の些細な相談まで、電気工事士は引っ張りだこ。これからも業界全体がさらに上り調子になってゆく事が予想されています。だからこそ今、信頼できる確かな技術を持った職人の育成が課題となっているのです。


4.まとめ


世間的に需要があり、余るほどの仕事量もあるのに、作業できる人材がいない。事業者としてこれほど歯痒い事はありません。人々の暮らしを守るために、日本の未来を創るために、電気工事士はとても必要とされている職業なのです。

少しでも興味を持たれた方は、電気工事士を心がけてみてはいかがでしょうか。